機材レビュー:Trace Elliot ELF【小型ベースアンプヘッド】
スタジオ練習やライブで個人的に一番テンションが下がること。それは、常設されているアンプが使いづらいことだったりします。
- 無駄にツマミが多い
- 音にクセがある
- パワー不足
- 状態が悪い
などなど、使いづらいと感じる理由は人それぞれだと思いますが、常設アンプに不満を感じた経験がある人は多いのではないでしょうか。
また、足元のエフェクター やベース本体で音作りをする場合、アンプに求めるのは色付けなく素直に音を出力してくれることだったりしますよね。であれば、いくら良いアンプでも、自分の狙った音を作りづらいことがある。
アンプをフルセットで持ち運べれば良いのですが、保管場所や運搬のことを考えると、そうそう手を出せるものではありません。
「自分のアンプがあればなぁ」
長年そんなモヤモヤを抱えてきたわけですが、最近たどり着いたのがベース用小型アンプヘッドであるTrace ElliotのELFの導入です。
ヘッドだけでも常に一定にできたことで、音作りに対するストレスが激減しました。もちろん、キャビネットまで自前に出来れば完璧なんでしょうけどね。
今日は、2年半ほどELFを使用してみた感想を書いてみたいと思います。
音は?パワーは大丈夫?
結論から言うと、素直な音でパワーも十二分にあります。ツマミは非常にシンプルで、こんな感じ。
ゲイン、ボリューム、低中高の3バンドイコライザーで構成されています。欲を言えばPadスイッチやグライコも欲しいところですが、このサイズなので文句は言えませんね。
トレースエリオットのアンプって、ちょっとレンジが狭いというかミドルにクセがある印象を持っていたんですが、ELFは低音から高音までキレイに出ます。クリアでレンジの広い現代的な音にアップデートされています。一方で、ミドルの感じはトレースエリオットなので、ハイファイになり過ぎず、ツマミの設定次第で色んな音が作れます。
パワーに関しては、キャパ300人くらいのライブハウスでは全く問題ありませんでした。パッシブ4弦ジャズベタイプ+Darkglass B7Kの組み合わせでしたが、ゲイン・ヴォリュームは12時くらいまでしか上げてなかったと思います。小さな見た目からは想像できないくらいデカい音が出ますよ。参考までに、ELF 使用時のライブ映像を載せておきます。
エフェクター 並みのサイズ
ELFのウリといえば、何と言ってもサイズの小ささでしょう。一般的なコンパクトエフェクター と比較するとよく分かりますね。
また、非常に軽量なのも魅力です。片手で軽々持ち上げることができます。それもそのはず、730gしかないそうです。500mlペットボトル2本よりも軽い!ちなみに僕はいつもギグバッグのポケットに入れて運搬しています。余談ですが、あまりに小さいので、ライブハウスのスタッフさんにはよくD.I.と間違われます。「これアンプ?嘘でしょ?(笑)」みたいな。
自宅〜ライブまであらゆる場所で使える
僕は普段、自宅での練習や宅録で使用しています。場所をとらないので、狭い作業スペースでも無理なく使えます。また、D.I.アウトが付いているので、ここから直接オーディオインターフェイスに繋げています。
ライブハウスでも、D.I.アウトを使ってミキサー卓へ直接音を送ることが出来ます。自宅でいつも聴いている音を、ほぼそのまま外音として鳴らすことが出来るので、これはすごいメリットだと思っています。
さらに、小さくて軽いので、セッティングもめちゃくちゃ楽です。常設アンプの上にチョイっと乗せるだけ。レコーディングでも活躍しました。
シーンを選ばず使える優れものだと思います。
最後に
ELFはシンプルな操作性と音の良さ、そして驚異的な軽さと小サイズが魅力のアンプヘッドだと思います。多機能なものやアンプでの色付けを求める人には物足りないかもしれませんが、足元で音を作る人には自信を持ってオススメできます。
3万円台という価格も魅力的で、エフェクター 感覚で導入することができます。一度試してみてはいかがでしょうか?